殊能将之のハサミ男ついて書く。ネタバレあり。
あらすじ、「」内はWikipediaから。
「舞台は2003年の東京。女子高生2人が同様の手口で殺害される事件が発生していた。2件とも被害者の喉にハサミが深く差し込まれていたことから、マスコミは犯人を「ハサミ男」と命名。ハサミ男は連続猟奇殺人犯として世間の耳目を集めていた。
一方、ハサミ男は3人目の犠牲者を選び出し、入念な調査を行っていた。しかしその調査の中で、自分の手口をそっくり真似て殺害された犠牲者の死体を見つける事となる。先を越されてしまったハサミ男は、誰が殺害したのか、なぜ殺害したのかを知るため調査を開始する。」
とまぁこんな感じ。
読み物カテゴリの第一回だからなにがいいかなーと考えた結果これにした。
最近小説を読む人が減少傾向にあるらしく、俺の周りにもあまりいない。
たまに読む人がいても、大さまのブランチでみますた^p^みたいな小説を読んでる人ばかりだ。
けれどそれを悪く言うつもりはない。
結局は好みの問題。
でも、こういう小説もおもしろいんだよってのを布教したいんだよ俺は。
プロパガンダと言い換えても良いが、そういう理由でハサミ男を選ぶことになった。
この小説が他のミステリ小説と異なるとこは、
トリックがしょぼいというか特にない。
事件が起きるが、クローズドサークルではなく普通の公園だし、名探偵も出てこないのだ。
じゃあなんでこれがおもしろいかって言うと。
叙述トリックがすさまじい。
一般的なミステリ小説が物語の中で犯人が周囲を騙すように、
この小説では作者が読者を騙すのである。
突然ながら、俺は小説は3回読む。
まずなるべく頭を使わないで流し見。
つぎに結果がわかった上で、伏線を探しながら読む。
最後は数年後、忘れたころに初めての本を読むかのように読む。
頭を使わないでハサミ男を読むと、まず間違いなく騙される。
物語のメインである人間をAとしたとき。
自分がAだと思って読んでいた部分が、実はBだった。みたいなね。
ネタバレおさえつつ書くとこんな感じ。
俺はこれを読むまではミステリ小説は、トリックを解いて楽しむものだと思ってたよ。
おい、きたねーぞ作者wwwwwとか言いながらも楽しめたし、
ちゃんと読めば答えもわかるようになってるから、まぁ完敗した。
終わり方もとてもいい。
読み手に、いろいろ考えさせながらも綺麗な〆方をしている。
蛇足になるけど、この作者のおもしろいところは参考:引用した本の数がすさまじく多いってこと。
引用はわかるけど、なに参考にしたのかよくわかんない本ばっかだし、
これ単純に作者が好きで読んだだけの本じゃね?って本もある。
謎多い作家である。
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